この日記は、2021.11.6の観劇記録と自分用のメモです。ネタバレです。
レポを探してここを訪れてくださった貴重なみなさま、こんにちは。
感想のような雄叫びは画面の下の方にあります。興奮のあまり、妄想が感想にすり替わっている為、いろいろ間違えてます。
10月30日昼の回を観た後は、戯曲本とパンフレットを付箋だらけにして毎日読んだ。
実際の舞台と違って、細かなセリフが変わっているのはもちろん本に書かれている第一景が丸々無くなっていた。感染予防対策で上演時間を短くするためとのこと。
二回目を観るまでの1週間、いろいろやらかしたのでフワフワしてたのは間違いない。
そういえば、31日に衆議院選挙があった。
当日。
夜は冷えると天気予報。でも良い天気すぎて暑い。
地下鉄本町駅から通勤のような足取りで劇場へ。
10月30日は開演20分前まで公園で待ってみたが、劇場入場時恒例の公園まわりに自然にできる長い列がやっぱり出来上がってしまって、入場がギリギリになった。
この日は開演40分前、列形成前に入る。
2階グッズ売り場はまだ空いていて、並ばずに戯曲本追加購入。
15分前に着席。
舞台上手と上手花道が近い‼︎通路側の席だったので、視界の右半分がほぼ舞台上手。視線がステージの板と同じ高さ。顔を左に向けると上手端から下手花道まで全景が視界に入る。
2021.11.6 (土)ソワレ 16:30開演
大阪 オリックス劇場
1階 8列 サブセンターブロック上手側
下手花道で利風や晴明、道満、将監、師師さまがいろんなことをされるので、近くで見れないのは残念だけど、序盤や回想シーンでセンターに晴明、下手花道に利風がいるやり取りを全景で見たかったから、この日の座席は感情移入しやすかった。
公開舞台稽古映像のアングルとほぼ同じように全体の展開が見えたのも、話が頭に入りやすかったのかも。花道を通る方の全身もほぼ見ることができた。
衣装とメイクの豪華絢爛さも素晴らしかった。
前回はステージとの近さで興奮して気づかなかった細かなやり取りにも気がついた。
本編
ジューダスが流れて新幹線の発車ベル、照明と音響が変わっていく。
狐晴明九尾狩の平安京の世界。
冒頭ナレーションが終わり、狐の面をつけてゆっくり静かに歩を進める足取りで前方まで出てきた中村倫也さんの晴明は、まるで能の演者のようで、顔を見せず声も発していないのに一瞬でその雰囲気に引き込まれた。
※11月23日のディレイビューイング(東京公演10月6日分)を見るまで、この後すぐOPダンスに入ると勘違いしてた。
冒頭でダンス観た気になってたけど、興奮しすぎて勘違いしていた。
近寄様との会話の後、元方院様、師師様、女官が登場、大内裏で利風に会う場面。
ああ、そうか
公開舞台稽古で見た場面がストーリーがどんどん進む〜っ
待って待って待って待ってーっ
心の準備が〜っ…
て、10月30日もそう思って観てたな。
『約束の未来』が流れる中、メリハリとスピード感がありつつ同時に優雅さも纏うダンス。狐霊をイメージしたアンサンブルの方も倫也さんのスピード感とピッタリにステージ全体を動かして、全員でこれまで積み上げられてきた和の表現と現代的なクールさと官能的な妖しさ、切なさが伝わってくる。
これまで歌舞伎や野村萬斎さん、羽生結弦選手の動きを見てきて、狩衣とか袂のある和装で素早く動くのは、相当体幹がしっかりしてないと身体は速く動いても袂とかついてこなさそうで、自然に表現するのは相当な技術が必要だと思っている。
中村倫也さんは大変さを微塵も感じさせず、一連の動きは全て自然でキリッとしても優雅な雰囲気もあり、本当に美しかった。
話が展開している中での晴明先生の動きも不思議だった。久しぶりに利風に会えて駆け寄った時、セリフを言いながら、助走なくフワッと風に乗るようにスキップして胡座かくように着地した。結構な動きなのに声がブレないのは何故⁉︎
ランや検非違使と戦う場面の殺陣が、陰陽師の剣が儀式用だからなのか、舞うような動きで交わして、それなのにガンガン攻めてくる相手を素早いスピードで追い詰めたり、とても迫力があった。それでも声がブレない。
銅山でゴン太くんみたいに顔を隠すような格好で上手花道からステージセンターまで荷車を小走りで運んで、センターでしばらく一連の動きをしたのに、その後タネあかしで顔を出した時に暑そうな気配が一切なく、とても爽やかに話し続けられるのも何故⁉︎
この回は、倫也さんの晴明はもちろんキャストさん全員のセリフの言い方が、前回より緩急はっきりつけて、間をとる部分はしっかり、ストーリー展開に重要な言葉はより深い気持ちが乗って言われてるように思った。
回替わりアドリブは30日と変わってまた大爆笑。
・パイがランとお酒飲んで油揚げ食べる場面、パイは関西弁。
パイの時は全部関西弁で喋ってほしいぐらいハマってた。
・晴明先生も道満に、関西弁で、わいがなにわのジェームスボンドや、みたいなこと言う。
・玉藻前に取りつかれていた元方院さまは、ひとくち30回噛めばいい。健康志向。
・将監のアドリブが一番笑ったかも。信楽丸の天狗の盾👺を、船場センタービルのワゴンセールで買ってきた、と言ったと思う笑
感情の揺れ幅がめちゃくちゃ広くて、笑うところでしっかり笑った分、哀しさや悔しさ、怒りの表現がエモい。心の琴線をガッと掴まれてめちゃくちゃ揺さぶられた。
二幕後半で利風がパイだとバレて、パイが近寄を喰うところで晴明がやめろ利風!と叫ぶ場面、声と全身の動きで哀しみと怒りが豪速球ドストレートで飛んできて、つらさと切なさが炸裂した。
晴明は劇中パイの名を口にせず、ずっと利風と呼びかけていたのを気にして見ていたのもあって、余計に哀しみが伝わってきた。
タオとランがパイにやられてしまうところも、タオの悲痛な叫びとランの悔しさ、パイのゲスさ、晴明の感情の爆発具合が合わさって、息するの忘れるぐらい見入った。
クライマックス、晴明が利風に剣を貫く瞬間、
二人の哀しい美しい涙と声の震えは、額におさめたいぐらい神々しい場面だった。
その後、晴明が感情を失っていく瞬間を見たくて、舞台前方でタオたちがこれからどうするかのやり取りをしていたけど、後ろ向いて床に倒れるように座る晴明に注目して見ていた。
感情喰われて
うっ
となった後、大きく肩と背中で息をするようにしばらく動かして数秒苦しそうにした後、ピタっと動きが止まった。
その瞬間、
それまで倫也さんから発されていたオーラのようなものが、全身からスッと消えたように私は見えた。鳥肌が立った。
倫也さんのまわりの空気まで無くなったような、本当に何もない暗闇に包まれるように見えた。
一呼吸おいたあと、ゆっくり頭を上げて姿勢を真っ直ぐ戻した時には、少し前まで感情が爆発していたとは全く思えない、時間まで止まっているような独特な雰囲気をした背中だった。
声を出しそうになるぐらい、雰囲気の変化に驚いた。
その後、タオが晴明の様子が変わった事に気がついて声をかける場面に移るが、静寂を纏ったまま、タオたちとセリフを交わしながら、ものすごく暖かい愛情や希望のある雰囲気が劇場中に溢れていくように感じて、最高のラストシーンだった。
ジワジワでる涙が止まらなかった。
カーテンコールはめいいっぱい拍手を贈った。
3回?幕が降りて客席が明るくなってもまだ拍手したかった。
大阪ラストのソワレだけど、千穐楽じゃないからあっさり終わった。
分散退場で一番最初に退場。
帰りたくない気持ちでいっぱい。
御堂筋まで歩いて、船場センタービルと光の饗宴を一目見て地下鉄に乗った。
帰宅して食べたのは、もちろんどん兵衛。
タオフーリン、ひたむきで強くて本当にかわいかった。
全キャラのその後のこととか、いろんな場面のことをずっと考えていたいぐらい楽しい演目だった。
2021.11.11(木)
仕事で行けない泣
だかしかし
座長さま曰くいい、いい日
大千穐楽、無事に完走!
大阪でもエアせんべい巻きをされたとのこと。
お疲れ様でした👏👏👏👏👏
狐晴明九尾狩、戯曲本の第一景を含めた完全版としていつか再演してほしい。