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日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

ミュージカル「ルードヴィヒ」観劇とりあえずメモ

ミュージカル「ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~」

東京公演千穐楽ライブ配信と、大阪公演11月19日マチネとソワレの観劇メモ

※まだ公演中のため、ストーリーについていろいろ思うことなどここでは詳しく書かないつもりですが、ネタバレは含みます。感動しすぎて間違いが多いです…。いろいろ思うことは後日まとめる予定。

 

(追記: 配信を観た感想を書いた後、11月19日に大阪公演マチネとソワレを観て、簡単に言葉にできる内容ではなかったと心の底から思いました。消そうと思ったけど、比較の為に残すことにしました。)

 

 

musical-ludwig.jp

 

youtu.be

 

2022.11.13 東京公演千穐楽 ライブ配信鑑賞

 

さすが18公演目、👆のゲネプロダイジェスト映像時より、遥かに上回る熱さと迫力が配信でも伝わってきました。

 

カンパニー全員の空気感が一つにまとまっていて、2時間ノンストップがあっという間に過ぎていきました。ストーリーを考えると涙が出そうな予感がしていたのに、苛烈な人生をハイスピードで余すことなく見せる勢いにすっかり飲み込まれたのか、泣くどころか逆にエネルギーが湧くようなテンションでラストまで凝視するように見てました。

 

木暮真一郎さんの完璧なピアノ、ある人物のお芝居、木下晴香さんの本当に素晴らしい自立心に溢れた芯の強い女性マリーの歌声とルードヴィヒとの絶妙な距離感、高畑遼大さんのハツラツとした歌声とお芝居と見事なキャラクターのスイッチ、バイオリンとチェロのお二人で繰り出す有名なメロディやハーモニー、福士誠治さんの素晴らしい歌と声の使い分けでキャラクターを入れ替え、ストーリーテラーでもあり、さらに中村倫也さんとの掛け合いや一体になる表現、

 

一番重要な、中村倫也さんのルードヴィヒ‼ 

登場した瞬間、場内の空気が変わり、一気に物語が加速。素人ながら、本当に大変な演目だと思いました。耳が聞こえにくくなっていく人の、他の人たちの喋り声が聞き取れない仕草や演出も細かく表現されていたのがとても良かったです。

 

中村さんは劇中ほとんど泣くか怒るかの繰り返し。マリーの親切心を素直に受け取れず、怒鳴り散らしたり、物に当たったり、甥カールへ過剰な愛を押し付けてしまう姿は狂気に満ちていたけれど、隙のない表現は一時も目が離せませんでした。

 

ウォルターやカールへの厳しい態度の根底にある本当の心情、愛情、失いたくない気持ちを、瞬時に泣きそうに顔を歪ませて魅せた表現。ベートーヴェンが弟たちへ書かれたとされる、

ハイリゲンシュタットの遺書 - Wikipedia

で、芸術と人間に対する思い、とりわけ弟の子供たちが将来幸せに生きていけるように願う深い愛情を持っていた人だったらしい雰囲気が、ウォルターやカールを抱きしめる様子などからも、しっかり伝わってきました。

 

公演開幕前のインタビューで、史実は意識せず中村さんが台本から読み取った、中村さんが表現するルードヴィヒだと言われていましたが、👇この本を読んでイメージしていた通りの、人間味溢れるルードヴィヒが舞台の中に存在しました。

人間ベートーヴェン 石川 栄作(著/文) - 平凡社 | 版元ドットコム

 

クライマックスの第9の表現は超圧巻‼ この場面は今はこれだけに留めておきます。

ラスト…、あの終わり方は良かった。本当に素晴らしい。

 

個人的に、中学高校で吹奏楽部、市民楽団でクラリネットを数年吹いていただけだったけど、その時のレベルでは超無謀だったのにどうしてか演奏した第9第四楽章でハイテンションになったことを思い出して、思わず一緒に演奏したくなりました。

 

配信でこれだけ感動できたので、11月16日に開幕する大阪公演以降、金沢、仙台で、さらにどう変化していくのか。とても楽しみになってきました。

 

大阪公演へ…👇

 

 

2022.11.19 ( 土 ) 昼、夜 @大阪 シアタードラマシティ

 

モニターで見るのと劇場内で観るのとでは、体感が全く違いました。感覚を根こそぎ持っていかれるような体感。言葉で言い表すのがもったいない。

 

昼は後方の下手寄り。舞台全体と、開始後何分かして気がついたら福士さん(壮年ルードヴィヒ)が上手側客席内の通路を歩いていたのも見えました。全員の動きと、舞台上で2階建てになってる2階部分がほぼ同じ目線であんな場面やこんな場面が上下同時に見えて、配信と違う楽しみ方ができました。

 

劇場で聞いてびっくりしたのが、耳鳴り音と耳鳴りがしている時の外から入る物音の聴こえ方。(風呂場でフワンフワン反響してるような聴こえ方)10年ほど前に突発性難聴を起こしたことがあって、症状が進み始めた時に似たような聞こえ方がしていたので、その音のほぼリアルな再現度に驚きました。

 

舞台から距離があっても音の響き方のバランスが良く、キャストさま全員の熱い声、歌声が、グッと身体に響きました。中村さんもですが、皆さん登場時は抑え気味かなと思ってたら、どんどんストーリーが進むうちに声が前にめちゃくちゃ出てきた(驚)年齢関係なくプロの方々なのでそりゃそうなんですが、声が出てくる瞬間を目の当りにしたらやっぱり感動します。

 

福士さんの変化する声音と歌声の安定感や倫也さんと重なる時の滑らかさ、晴香さんの自律心あふれた力強さを感じるどこまでも響く歌声、遼大くんの天使みたいな歌声がキラキラしていて本当に素晴らしかった。

 

中村倫也さんの、声おさえてる…?と思わせてからの、次の瞬間パッと感情表現に乗せてパーンッと声を全面に張って切り替えるのが爽快。登場してすぐから大泣きして鼻づまりで苦しそうで、喋り始め、歌い始めが出にくいのもあったんでしょうが、そこから、喋りながらボリュームのつまみをぐいーっと滑らかに上げるような感じで声を張っていく瞬間は映像と違いライブ感があって、観ていて本当に面白い。 狐晴明の時は、人数多くて笑いもありの会話劇、複雑な心情表現をさらっとやってのけて、身のこなしがやっぱりアスリートだなと思って見ていたけど、ルードヴィヒはアスリート+表現者の奥深さみたいなものを見せてもらった気分になりました。何言ってるんだか自分でもわからなくなってきたけど、数分、秒単位で感情と年齢を切り替えていく隙の無さが本当に凄まじくて…。

 

すーーーっかり、魂をもっていかれました。Ω\ζ°)チーン…

 

カーテンコール4回目で、中村さんの拍手フライング芸で笑って意識が一瞬戻る。

水飲むのがせいいっぱい、何も食べる気が起こらず、フワフワなままソワレへ。

 

夜は、ものすご~く前方センター上手寄り。わかっちゃいたけど、座った瞬間、距離の近さにメンタル昇天…。

 

ソワレは、マチネ以上に声が、音が、ほとんどスパッと決まっていて(多少の甘噛みなど全然OK)、なんなら東京千穐楽を配信で見た時よりステージにいる全員のパズルのピースがハマったようでした。

 

中村倫也さんの、全身から溢れるエネルギー放出の底なし感を目の当たりにしたような感覚でした。シャウトの声質とか、歌声も全て、聴きたいタイミングと音感のとおりスパッスパッと入ってくる心地よさ。

 

よくバンドのライブで、このタイミングであの音が聞けたら気持ちいいだろうなと思ってたらその通りの音がタイミング良く聞こえてきてテンション上がるみたいなことがあって、今回、ルードヴィヒの19日ソワレの倫也さんが本当にそんな表現で、聴きたかった声質、心情の深さをさらに超えていて、びっくりしました。ミュージカルでこんな感覚になったの今まで無かったように思う。

 

ラストの曲の高音も、思わず拍手したくなったような完璧な入り方、その後のハイトーンのままのフレーズも、少しハスキーで艶やか、滑らかな声で歌われて本当に最高でした。

 

晴香さん、福士さん、ソワレはアンナちゃん、木暮さん、バイオリンとチェロのお二人、みなさん誰一人としてズレ、違和感を感じる表現が2時間ほぼ無かったと私は思いました。全員の表現、音感、タイミングが揃って響き渡る音を聴きながら、ストーリーの激しいぶつかり合いや苦しさ、哀しさも相まって、後半はずっと身体が小刻みに震えてました。泣き過ぎて震えるのとは少し違う、周波数がピタッとハマって震わされてるみたいな感覚。音で意識が飛ぶ感覚。この状態になれる作品はめったにない。

 

大阪公演は11月21日に無事千秋楽を迎えて閉幕。

あとは金沢と仙台。

全公演の無事開催と成功を願ってます。

 

これだけ素晴らしい舞台を作ったカンパニーみなさんの想いに感動が止まらず、同時に、ウィーンから遠く離れた韓国で生まれた原作がさらに海を越えて、日本でも最高の作品として上演されたこと、その原点が約250年前のベートーヴェンの才能といつまでも愛される音楽によるものだと思うと、芸術が持つ力の強さを見せてもらえたようで、胸がいっぱいになりました。本当に素晴らしかったので、映像としてもいろんな方法でたくさんの人が見られるようにしていってほしいと思う作品でした。

 

この後メモし続けたとりあえず頭に思い浮かんだこと👇

 

lenwst.hatenablog.com

 

 

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