lensdiary

日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

なぜその音を聴いて涙が出るのか

音感が良いということではないけど、音に敏感な体質だと自分で思ってます。日常生活で聞こえるいろんな音から、その音を出してる物や動作を想像して楽しんだり、音そのものを聞き込んでしまうこともあったり(変態です。でも騒音は耐えられません)

そんな体質のせいか、音楽を聴いた時、その音とリズムの重なり具合や、レコードやCD、配信の音質の良さに浸るのがものすごく好きです(意識が吹き飛ばされる感覚っぽくなることも…)。

 

でもまれに、理由がわからないのに音を聴いた瞬間、涙が勝手に出てきて止まらなくなることがあります。メロディや歌詞を聴いて何か思い出す前に、出だし数秒の音が全身にぶわっと入ってきて、その瞬間、涙が止まらなくなってます。悲しいわけでもなく、切ないとか苦しいとか、つらかった何かを思い出してるのでもない。前からこの反応がなぜ起こるのか謎です。

 

AIさんに涙が出ることについて聞いてみました。

涙が出て気持ちがすっきりするとは?

→ Copilot GPTさんの回答

涙が出る瞬間、心が洗われる感じですね。感情を解放することは、時にはとても健康的で、気持ちを整理し、心を軽くすることがあります。涙は、私たちの人間らしさを示すものでもあります。感情を大切にしましょう。🌟

 

はい、大切にします。

そうすると、私が涙が勝手に出てくる音は、私の感情を解放して健康的に気持ちを整理してくれる、自然な身体の反応を起こす音。ハーモニー?周波数?

 

その音は、大きくて派手な曲ではなく、あまりビートが目立たない、ビートのないアンビエント環境音楽などが多い。

 

雅楽で使われてる笙

オルガン

などは、信仰の場所で使われる楽器だけあって、明暗いろんな気持ちに向き合って清らかにしてくれるからかなと思ってます。

 

ロックなどの中では、Post Rock → ポストロック - Wikipedia のバンド、アーティストさんが作る音は、ほぼ涙無しで聴けたことがないぐらい、勝手に流れてきます。レディオヘッドの Motion Picture Soundtrack を外で聴くと途端にヤバい人になります。

ヤバかったといえば、2022年に中村倫也さんがベートーヴェンを演じられたミュージカルルードヴィヒが終わった後の場内SEでアイスランドのバンド、シガーロスの()が流れ始めた途端(第一音の和音)、身体が震え出して涙こらえるのが大変だった。ルードヴィヒの一生を見てほとんど召されるような気分だったのが、本気で召されそうになった。

音響系サウンドの不意打ちは嬉しいけど、フェスとかではない街中で聴くと焦ります。その場所がフェスで、同じような反応してる人が集まってる場所なら気兼ねなく涙出して意識吹っ飛ばせるんですが…(意識なくしちゃダメ)

 

宇多田ヒカルさんの BAD モードの出だしも私にとっては脳が溶けるような感覚になる曲。このアルバム全体、私に泣け!涙出せ!とぐいぐい押されてる感じで大好きです。

 

くるりの 東京 や 愛の太陽 も、毎回出だしでぶわっときてます。

 

普段、思い込みや目に見えないルールみたいなもの、見聞きして心が苦しくなるニュースなどから、ぎゅっと心の外側を硬く鉄の鎧みたいなもので閉ざし過ぎてるのかもしれません。閉ざしてるうちに心の奥から、開けてくれ!ともがいて湧き上がる気持ちを、ひょいっと軽く出してくれる、涙とともに重苦しくなった気持ちを洗い流してくれる、そんな音、曲を作り出す方々は本当に素晴らしいです。

 

 

ずっと気になってるこの現象をよく考えてみようと思うきっかけになったのは、先日Eテレで放送されたコマ撮りアニメ『ルカと太陽の花』を見て、映像と共に流れ始めた環境音、劇伴が聞こえた瞬間、涙が勝手に溢れて止まらなくなりました。

キャラクターや草花、集落、細かいものに至るまで、緻密に作り上げられた世界とキャストの方の声の表情、揺れ動き、セリフの無い時でもキャラクターの心情が乗った呼吸まで伝わりそうな表現、ストーリーの展開、どれもとても素晴らしい映像でした。

www.tomoyasu.net

ストップモーションアニメが好きなので、中村倫也さんが出演されて嬉しかった!

 

まだストーリーが動き出していないのに、なぜ涙が出るのか。ルカの吹くリコーダーの音が風の音に乗って、さらに暖かく柔らかく心の奥深くまで届いて、思い込みの鎧を溶かしてくれる。

本当に素晴らしい作品です。

 

 

音楽をご担当された田戸達英さんのアルバムを聴いてみました。やっぱり、いろんな音色、ノイズに至るまですべての音を取り込んだ、とても自然な音、感情を解放してくれる音がたくさんありました。

 

無垢 / 田戸達英

youtu.be

 

それぞれの音を分析すれば何かつかめるんだろうな、と思ってるんですが、そこまで調べる時間が今のところ作れず…

素晴らしい音を作られる方々の曲が聴ける環境への嬉し涙を流して、また何回も聴き続けます。