lensdiary

日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

違うものもつながっている

コーチェラ配信、Blurバンクシー

 

イギリスがブリットポップでワイワイしていたころ、遠く離れた日本に住むわたしでさえたくさん出てくる音楽とバンドが楽しみで、どちらかというとオアシスが好きだった。罵詈雑言言いまくりな兄弟なのに、歌では真っ直ぐな心意気が自分の心に突き刺さった。でも妙に現実の問題をついてくるブラーの歌も好きで、ボーカルのデーモンではなくグレアムコクソンのルックスとギターもお気に入りだった。

 

2022.4.17 コーチェラのトリ、ビリーアイリッシュのステージにGorillaz デーモンアルバーンとデラソウルがゲストとして参加、Feel Good Inc. を歌った。ライブ配信の時間に出かけていたため、帰宅してからTwitterで知り、びっくりした。出かける前に88rising、宇多田ヒカル、Rina Sawayamaを見て気分最高だったけど、まさかデーモンアルバーンとビリーが一緒に歌ってるのを見られるなんて本当にびっくりした。そのあと、デーモンを知らないビリーのファンがエルトンジョンと勘違いしたという話も読んでさらに驚いた。そうですよね、世代が離れてますもんね…。メディアによってオアシスと対立させられていた時はそこまでデーモンのファンではなかったけど、認識されなかったことがなんだか切なくなって、その日の夜はBlurを聴いた。

 

話は変わって、4.23 。バンクシーって誰?展が大阪で始まった。中村倫也さんが公式アンバサダーと音声ガイドをされているので、さっそく観に行く。

 

whoisbanksy-osaka.jp

 

細かい感想は、あと何回か見に行きたい…というか音声ガイドを聞けるだけ聞きたいのもあって、別で書きたい。

 

ざっくりと、バンクシーの作品を街並みごと再現しているのが発見される時の感覚がなんとなく伝わって面白い。それ以上にコーチェラ配信を見ていろいろ音楽ネタでテンション上がっていた私の好奇心に刺さったのが、バンクシーと音楽の繋がりを実際に感じられたこと。数点、個人所有作品があって、Blurと関係のある Girl with TV も展示されていて、なんとなく頭が20年前に戻ったような感覚になった。個人的には見られて嬉しかったけど、1週間前にビリーのステージに出て、誰かわからないと言われたデーモンのことを思い出す。この作品を見て解説文を読んでも、ブラーって何?Think Tank??? 雑誌の表紙?何のこと?な人いるんだろな…気になった人はちょっと検索したらすぐに答えは見つかりますよ…なんかまた切なくなった。

 

バンクシーのメッセージ、イギリスの音楽、ポールスミス……なんだろ、国以外でなんかでつながってるみたいな…

 

ちょっと複雑な気持ちで出口を出たら、グッズショップの壁に中村倫也さんがこのイベントの宣伝特番でアーティストの方に教えてもらいながら制作されたステンシルアートが展示されていた。バンクシーと同じぐらい楽しみにしていた作品。おもいっきりご自身が楽しみながら表現されているように思えて、気分がスッキリした。額やケースに入れられていないのが心配だけど、コロナ禍において自分と同じ国の勢いのある表現者の違う側面を直接見られて、一番気分が明るくなれた瞬間だった。

 

展覧会は図録を買いたい性分なので、もちろん買った。帰ってから図録をゆっくり読んで、スタッフの方のお名前を見て、あっ と思った…

 

わたしみたいな世代を懐かしませるだけではなく、すごい、カッコいいで終わらせず、知らない人たちが過去と今のいろんな作品にも興味を広げるようなイベントを作ってほしいと思う。良い曲、良い作品はいつまでも繰り返し触れていたいが、世界は日々変わっていってる。いま何が起こっているかを知っておきたい。