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日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

ドラマ『石子と羽男』4話

4話ーーーーっっっ!!!!!

※ネタバレあり。

 

 

 

 

あらすじ|TBSテレビ 金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』

 

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事案 救護義務違反

 

電動キックボードと歩行者の衝突事故。救急車を呼ぼうとしたか、しなかったか。事故を起こした人と被害者のどちらが嘘をついているか。乗り物絡みの事故は起こりやすいことなのに、外に出た時はつい無自覚になりやすいから、身につまされる話だった。

何年か前、歩いていた時に出合い頭で突っ込んできた自転車とぶつかってけがをした時のことを思い出して見ていた。その時、ぶつかってきた相手は衝撃で動けないわたしに”意識あるから大丈夫やな!”とだけ言ってすぐに走っていった。自転車に乗る時は無自覚にならないように気をつけないと…。

 

趣里さんとめるるちゃんの姉妹とワンちゃんが良かった。(号泣) 交通事故で両親を亡くして、絵実も視力を失っていた背景がさらに泣かされた。その時に綿郎さんが対応した縁で潮法律事務所に依頼がきたのも、依頼者にとって綿郎さんは信頼できる弁護士なのがよくわかった。

 

ぶつかった相手新庄(シソンヌじろうさん)が只者ではなかった。職業ははっきりしてなかったが、妻と幼い子供の3人家族。妻の父は検察OB。表向き、良い家庭。検察側の担当が、優乃さんに変わったこと、あと、優乃さんと上司が階段で交わした会話(長いものに巻かれておけ的な)が、現実の忖度問題も思い起こさせられてとても面白かった。

 

絵実と綿郎さんたちが現場でビラを配って目撃証言の協力を呼び掛けた姿がSNSで拡散されてドライブレコーダーの映像を証拠にできたのは、3話でSNSの悪影響を描いていたのと逆に、今回は顔が見えない人たちの良心が一奈の無罪判決につながったことを表していて、世の中は無関係に攻撃してくる人間ばかりではなく救いがある描き方になっていた。

 

社会の厳しさを表していた優乃さんが羽男さんに人の人生背負う覚悟がないなら弁護士辞めろと言ったセリフが良かった。弟への心配も含まれていたみたいだけど、羽男さんのブランディング打破につながるきっかけになったのと同時に、現実は思いだけでやっていける甘い世界ではないし、大きな組織や集団が絡んでくると義理人情だけで解決できないことが多い。世間で起こっていることを多方から描いていて本当に面白い。

 

蒼生くんの元職場との案件がまだ係争中なのが、これからどんな進み方になるのか気になるが、つらい展開になったら耐えられるか不安でもある。

 

 

繋がって面白い

 

案件を調べていくうちに別の事件が発覚したり、ちょっとしたセリフが別のシーンでまた違った展開につながったり、一瞬たりとも見逃したくない作り方なので始まった瞬間から息するのを忘れて見てしまう。

 

1~3話でも中村倫也さん関連で過去作を思い出すようなキャラやビジュアルがあって、だんだん気づくことが増えてきたからか、4話は特にキャストさんやスタッフさんに関連した作品のつながりもたくさん出てきてニヤニヤを抑えられなかった。

 

・冒頭の寸劇で、有村さんがビリギャルさやかみたいなギャルキャラ

映画 ビリギャル : 作品情報 - 映画.com

 

・違法カジノ店スタッフが一ノ瀬ワタルさん。

中村倫也の表情の振れ幅に“身の毛がよだつ” 『珈琲いかがでしょう』が繋ぐ人々の思い|Real Sound|リアルサウンド 映画部

作品が違っていても、珈琲の青山さんにびびってたゴンザと逆に羽男さんを追い詰めるのを見たらニヤニヤしてしまう。

 

・潮法律事務所に仮面ライダーが二人いる。

 

・地検内の階段。映画ハケンアニメ!でよく似た階段を見た気がする。

 

・羽男と石子が夜明けにビール飲んでた非常階段。MIU404でよく似た非常階段を見た気がする。

 

 

石子と羽男と蒼生と塩崎

 

3話で映画に誘えた蒼生くん。誘い方が微笑ましかったし、両手で顔を覆う仕草に微笑ましさ炸裂してたけど、4話で石子ちゃんと羽男さんの距離近くなってる雰囲気にすっかり嫉妬。

元気ない羽男さんを石子ちゃんが飲みに誘うのを遠目に見つめてたのが切ない。そんな視線に気づいてるのか気づいてないのか、カラカラカラ~っとガラス戸を閉める石子ちゃんのタイミング…。石子ちゃんを守りたい一心で、警察の到着前にカジノ店に突撃して剣道の腕活かせたまではよかったのに、節約家石子ちゃんの仕切りによって自分だけ別のタクシーに乗って帰るはめになったのが切なかった…。極めつけがラスト、優乃さんが石子ちゃんに弟をよろしくと言うのを目の当たりにした時の顔…。切なすぎた。がんばれ。

 

塩崎さんは、わかりやすく石子ちゃんと羽男さんの間に割り込める人だから、笑って見てられるけど次回案件の依頼人になるからどうなっていくのか…。塩介と甘実がいい感じだけど、やっぱり石子ちゃんなのかな。

 

4話最大の問題、石子と羽男が”相棒”と認め合った件。

エモい‼ 乱闘騒動で負傷した後、夜明けにマンションの屋上に近い非常階段で飲んで、心のうちを語るアラサー二人って何ですかあの美しいカット⁉エモすぎ。尊い(涙) 

昇ってきた朝日を浴びて、盛り気味に上げた前髪をぐしゃぐしゃっとして素の自分に戻した羽男さんの美しさったら、もう額に入れて飾りたい(号泣) ドライヤーで髪をがーっと乾かす場面から始まったとこからつながっていたかと思うと、余計に気持ちが込み上げた。尊い

 

 

仕事上のパートナー関係になっていってるのとは別に、二人に恋愛感覚があるのかまだ微妙なのでいったん置いておいて。

→この感想初めにアップした後も何回もリピートして見てたら、羽男さんは気持ち出てきてるなぁ…と思った。どこがどうとはっきり言えないけど、なんとなく。

→その後もまた1話から通して見てたら、石子ちゃんも3話から気持ちありだけど隠してる?ぽい仕草し始めてるように思えてきた。

 

→10話まで見て、この2人、まったく恋愛感覚の矢印は出なかった。性差関係無く法律家として対等に、お互いを補い合う姿勢を表現したのは見ていてとても爽快だった。

 

 

1話で石子ちゃんは”パラリーガル”として全面的に弁護士をサポートしますと言い切ったのは、自分の正義感とプライドからの発言のように思った。仕事をしながら羽男さんも人の心の機微を捉えて動くことや家族構成を知り、内に抱える悩みが少し見えて能力を認めたのと同時に石子ちゃんの守護者気質なツボに羽男さんは応援対象としてぴったりはまったように思う。

 

普段ふわふわしていても、姉に弁護士辞めた方がいいとまで言われて、さすがに元気なくした羽男さんを飲みに誘う言い方が斬新。しかも行ったのが塩崎さんの店なのが笑ってしまった。本当に何とも思われてない塩崎さんがお気の毒なかんじだけど、いい街でうらやましい。

飲むペース早いのは、アルコール好きだからか、それとも羽男さんと二人で飲むのが初めてで誘ってはみたもののいざとなったら緊張してペース早くなったのか、どっちだろう。

『コントが始まる』で公園でベロ酔いしてた里穂子の姿を思い出して、石子ちゃんが酔っぱらったらどうなるのかなど考えてしまう。

 

蒼生くんの気持ちには気づいているような感じだけど、やっぱりこちらもお姉さん目線で見守ってるような雰囲気。蒼生くんが面接に向かう時に言った「行ってらっしゃい!」が女神かと思った。その言葉を受けた蒼生くんの笑顔の爽やかさも眩しかった。

 

いまの石子ちゃんの頭の中は仕事と事務所経営と節約でいっぱいで、空いた時間なんてあるのかな。

 

羽男さんの部屋に入らないことをはっきり告げるところが良かった。非常階段のステップの幅と心情が重なって見えるように微妙に近づけたのがめちゃくちゃエモい。

簡単に男の人の部屋に入りませんよって言われた後の羽男さんの「そっか。」が、なんともがっくり感あっておもしろかった。あの感じ、信用されてないな…ながっくりなのか、ほんのり期待してたのがバッサリ断られてがっくりなのかどっちなんでしょう。

 

 

怪我だらけで弱り切って心細そうな羽男さんに、ドア前であんな表情で渾身のふるさと納税返礼品ドラフトビール誘いされて放って帰れる人っているんでしょうか。

 

夜ずっと一緒にいて、あの顔見て、知り合いか友人としてもすぐに仕事あるとか余程の理由がなかったら、お大事にじゃあねバイバイするのは難しい。

3~4時、5時頃って、妙にまどろみながら語りたくなる雰囲気の時間設定もエモさ炸裂にピッタリだと思った。

 

石子ちゃん、武器が記憶力だけって言われたらムカつかないかなって思ってたら、弱気になるなとバシっと言ってくれてスッキリした。

司法試験のことはよく知らないけど、解答内容以外で妙に合格率を絞るためのゴニョゴニョ…がもしあったとしたら。ガラスの天井的な。これからの話に入ってくるかどうか気になるところ。→全然違ってた…。想像以上のトラウマ。

 

 

1話から石子ちゃんの屋上飲みシーンをなんとも心地よさそうに映していたのがいいなと思ってたら、まさか4話でこんなに最高に印象的な二人の屋上飲みシーンが来るなんて想像してなかった(号泣)

1話で駅ホームから電話で石子ちゃんに言おうとしてたのは、この非常階段で話したようなことを言おうとしてたのか?

 

 

やっと羽男さんが”天才ブランディング”の鎖をほどいて、見た目に頼ることなく、石子ちゃんとタッグを組んで法廷に向かった姿は、絵実と一奈の目には見えない強い信頼感を最後まで諦めなかった感動と並走してとても心に響いた。石子ちゃんが考えたスクリプトのままじゃなく、自分の言葉で”相棒”と付け加えたのが信頼感強くなってて本当に良かった。

 

綿郎さんとスポーツセンターで並んで歩く後ろ姿が、ちゃんと潮法律事務所の弁護士二人感出てたし、あと、なんて優しい微笑みするんですか羽男さん‼

綿郎さんと石子ちゃんに出会えて良かったね(涙)

息止まりそうになることだらけで、息切れしますわ。

 

 

 

 

こんなにいい感じでキャラクターの関係性が出来上がってきた後がとても不安。次の予告を見たら、塩崎さんがガッツリ案件の渦中にいてそうだし、蒼生くんが石子ちゃんをおんぶしてるし楽しみだけど、石羽言い争いしてるし不安感も高まった。これからどれだけ上下激しい感情のジェットコースターに乗せられるのか…。

 

やけに夏の暑さを強調する演出をしていたのは何か意図があるのかな。ストーリーの日付がほぼいま現在の日付と近いから、こっち側と共感してくれるような和む一言でもあるけど。検察の優乃さんがさらっと、”あっつ~。日本おかしくない?”と言ったのがいろんな意味でめちゃくちゃ面白い。

 

石子と羽男の、"こうあるべき"のような見えない鎖にがんじがらめにされてる中で、もがきながらも自分たちの信じる正義を歩いていく姿はとても心に響く。

4話は特に新しい風が吹き始めたような気分だった。

 

 

公式さんが写真多めで嬉しい。

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