lensdiary

日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

舞台やライブの感動を文章に残そうとする行為を考え直す

Xアプリを開いてぼんやり眺めると、音楽コラムやエッセイ、ライブレポを書かれているむらたかもめさんのpostが目に留まりました。むらたさんのレポは読みやすく、行ってないライブでもその場の熱量が言葉から伝わってきて、いつも楽しみにして読んでいます。

www.ongakunojouhou.com

 

今日見たpostは、FC限定のライブレポをブログに書いたことに対してクレームが入ったとのこと。

https://x.com/houroukamome121/status/1764430683546739140?s=20

 

詳細や背景を知らないので私が意見するものではないです。ですが、それよりも驚いているのは、限定ライブの記録や感想を個人ブログへ書くことに対して、あと、記憶力の高さと文章の綿密さに録音してるのだろうとすぐ仮定して考えて、不快に思う人がいる現実にちょっと衝撃を受けました。

2024.3.5追記 ここに書いてることは、登場する方々を否定する意味で書いていません。

衝撃を受けた理由は、どんな文章に対しても不快と思う人もいるとは思っていたけど、ご本人へ直接問題に思うことを指摘、正義感を問うコメントを送った行動が、個人の感想をメディア関係無しにブログへ載せることによってファンへの状況シェアやアーティストの価値を広めることに繋がっている中で、やり過ぎではありませんか?とまるでイエローやレッドカードを見せるような動きに見えたのが、集団心理の裏表をはっきり目にしたと思ったからです。

"ファンダム"と言われている集団の統率的な行動のちょっとした恐さは、いろんなアーティストさんのライブ会場やSNSで前から感じていて、私はアーティストさんへの愛情を突き詰めていくあまりに全員同じ方向を向きましょうみたいな動きが窮屈で苦手と感じる性格なので、離れて応援するタイプだからこう思ってしまったと思います。

繰り返しますが、意見を投稿する方々を否定する意味ではありません。

 

 

改めて考えると、FC限定ライブは、おそらくチケット抽選に当選されて購入して参加された方とアーティストさんだけの特別な空間。ライブに行くための時間や資金を調整する労力も込みで、その人それぞれの想いを胸に、お金を払って参加したライブ空間での出来事を、音楽メディアではなく個人が誰でも読める場所に詳しく言葉に残すことは、ライブに行っていない人にその場の雰囲気を情報提供するとか、無料で特別な空間を楽しめてしまう、例えば野外フェスで音漏れで楽しむみたいなズルい行為みたいで不快と思われたのでしょうか。

なんとなく感じる不公平感に対して、わからないでもない。読んだものに対しての感想は十人十色で、読んだ人数分の受け取り方があると思ってます。

 

私の話になりますが、個人でインターネットを家で使えるようになってから、観に行ったライブや舞台の感動が脳内をぐるぐる駆け巡ってるので、自分のノートではなく、いつか誰かが読める場所に言葉に出していきたい!という気持ちが強くて、バンドファンコミュニティーBBSや個人サイトから始まり、mixiTwitterなどに書く場所を変えてきました。海外や国内のアーティストさんでも、ライブレポを全体公開ブログや00年代のBBSに書いて、海外在住のファンの人がどんな雰囲気だったか、アーティストさんの様子を知りたかったので助かったと伝えてくれたことでいい気になってしまったのも、感想を書き連ねてる理由です。

私の感覚だけかもしれませんが、とにかく脳内を巡っている感動を言葉に出したい!誰かに認められたいとか、そのブログから収益を得たいとか、そのような戦略的な計画に基づいた行動は一切なく(賢く有効的にウェブを使うアイデアを思いついてない)、本当に単純に言葉に出したいだけ。

劇場やライブハウスで観てる時の脳内は、映画マトリックスの0と1が雨みたいに羅列している表現が印象的ですが、あんな感じに感情や過去の記憶、思いつく言葉が脳内にスコールみたいに降ってきてるイメージなんです。

パンパンになった感動の全てを言葉(情報)に残すことはできない。それでも、こんなに素晴らしい表現があった、という事実は、匿名でどこのだれかはわからずとも、形に残しておきたい。ネタバレとしてどこまで書き残すかを結構毎回悩みますが、書き始めるとどんどん思い出して書いてしまう。そんな感覚です。

 

むらたかもめさんはpostの中で、見聞きしたことを覚える記憶法(基礎結合法)を書かれていました。私は特に記憶法を意識したことがなく、子供の頃習っていたそろばんや暗算検定の為にパッと見た数字やそろばんの珠をそのまま記憶して計算につなげる訓練をしていたせいなのか、劇場で見聞きしたことは、その瞬間目にしたまま、聴こえてきたまま、記憶しているっぽいです(最近、年齢と睡眠不足のせいで記憶力が衰えてきたから自信ゼロです)

 

なので、私はライブや舞台を見聞きしながらメモに残しません。意識をステージから逸らしたくなく、その場で体感して強く印象に残ったこと、感動、考えたことを大切にして、自分なりに後でまた思い返して、どう思ったかをちょっと冷静な視点で言葉にまとめていきたいと思い、時間をおきます。でも記憶をいつまでも脳内に残せないので、終わった直後や当日の夜中にメモツールやOneNote、手帳に手書きなどで箇条書きに思いつくまま感想を仮で書いてます。ブログを書く時間を作れたら仮メモを見返しながら、感想をまとめています。

 

これから感想を個人ブログに書く時は、この文章から下は折りたたみ、とか、読みたい人限定で公開する、とか、何か対策を改めなおした方がいいのかも…

 

去年の年末に観た舞台OUT OF ORDERの感想まとめがまだ終わってない理由の一つに、著作権の関係で映像を公に残せない作品を、個人がブログにどこまで書いていいのか、ちょっと気になって、ここに書くことがカンパニーの皆様へ迷惑をかけないかを調べてみたりもして(結局よくわからないんですが…)、ものすごく時間がかかってます。

 

基本は自分の為に感想を書き残していますが、偶然書いた感想を目にした方の気持ちがちょっとでも明るく軽くなればいいかなぁと思い、20年以上、言葉にしてきたこの行動を、これからはその都度どんな環境での公演だったかなど確認して、発信方法を考えるのがいいかもしれないなと思いました。

論点が違っているかもしれませんが、一個人の感想を残すことを考え直す良いきっかけになったpostでした。