lensdiary

日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

舞台OUT OF ORDER を観ました その1

2023年11~12月

舞台OUT OF ORDER 感想

※観ながらメモは取ってませんので、動きやセリフなどの表現はニュアンスで書いてます。予めご了承ください。

 

書き出し始めると端的にまとめられず止まらなくなって、いろいろ記録してしまいましたがいいんでしょうか?ネタバレしすぎNGならコメントなどでお知らせください…。

 

観た回

2023.11.18(土) 兵庫:西宮 夜 1Fセンター前方(以下、西)

2023.12.9(土) 東京:世田谷 夜 3Fセンター前方(以下、世)

2023.12.28(木), 29(金) 大阪:森ノ宮 両日とも夜 28:1F上手前方, 29:1Fセンター前方(以下、森28 or 森29)

 

outoforder2023.com

~ストーリー~(間違えて書きたくないので公式サイトより引用させていただきます)

ロンドンのウェストミンスター・ホテルのスイートルーム。
保守党の副大臣リチャード(ユースケ・サンタマリア)は、緊急事態が起きたと秘書のジョージ(中村倫也)を呼びつける。
慌てて駆けつけたジョージにリチャードは言う。
「今、政府は存亡の危機にある、お前が問題を解決しろ」
突如、リチャードの無茶ブリに巻き込まれるジョージ。
二人の前には、リチャードの不倫相手のジェーン(山口紗弥加)、部屋に転がる謎の死体(春海四方)、ホテルの格式にこだわる支配人(坂田聡)、気の利かないウェイター(森下能幸)、新人のメイド(平井珠生)、リチャードの妻・パメラ(猫背椿)、ジェーンの夫・ロニー(加治将樹)と、予期せぬ訪問者たちが次々と現れ、事態はさらに悪化していく。
果たしてジョージは加速する危機を解決できるのか?
心配性の母と介護士のグラディス(トリンドル玲奈)が待つ家に帰れるのか?
ジョージの奮闘とリチャードのその場しのぎ、二人から目が離せない、転がり続けるジェットコースターコメディ!

 

ざっくり感想

・公演発表時の気持ち → イギリスのコメディ、中村倫也さん、ユースケ・サンタマリアさん、マギーさん、キャストの皆さん、音楽、イメージビジュアルのデザインなど、キーワードになるものが全部好きなものばかり!始まる前からドハマり決定!

・観劇後 → 爆笑!(森28,29の時は身体をよじって笑いたくなるぐらい大爆笑)、めちゃくちゃ好きなタイプのシチュエーションコメディ!上質!予想以上に全部好き!予想以上に爆笑‼ 素敵‼ 多幸感でいっぱい‼

・欲と保身のその場しのぎマルチユニバース!笑

・日頃のストレスが吹き飛んだ!

中村倫也さんの出演作品やいろいろ繋がる要素ありでイイネ×3万レベル!

・倫也さんの表現博覧会! キレのある動きがやっぱりかっこいい!

・倫也さん含めキャストさん皆さんの表現博覧会で腹筋崩壊寸前!笑

・ただのイギリスカルチャー好き脳には小ネタいっぱいでニヤニヤしっぱなし!

・劇場から出た後しばらく、思い出し笑いが止まらない!

・クリスマスイブのお話だったので、11~12月年末にかけて観れたのが季節感ピッタリ、物語や演出の雰囲気を劇場内外全てから楽しめた!

・仕方がないけど映像に残せないのがもったいない

 

観ながら思っていたこと

開演前からオープニングまで

印象的だった演出マギーさん選クリスマスソング。Xへシェアしてくださったのありがたいです‼ この選曲は座席に座った瞬間からアドレナリンが巡り始めた感があって、音楽からも楽しめました♪

 

Another Christmas / The Yobs

music.youtube.com

 

しばらく待っていると、アップテンポで軽快なジャズの赤鼻のトナカイ♫ オシャレで素敵な雰囲気とワクワク感が高まりました。

Rudolph, The Red-Nosed Reindeer / Kazumi Tateishi Trio

music.youtube.com

公式サイトを見てみるとこのアルバムは配信のみとのこと。何回もリピートしたいアルバムです♫

 

🎄🎄🎄🎄🎄🎄

 

ロンドン ウェストミンスターホテル(老舗)のスイートルーム648号室。

柱やドア♫白系統と落ち着いたアッシュゴールドで縁取られた枠などモダンでアールデコな造りのお部屋とインテリア(ニュアンス)。真ん中には高級アンティークソファ、テーブル。ステージ正面後方左側に天井近くまである上げ下げ窓2つに白いカーテン、後方右側に深いブラウンのクローゼット。上手に部屋の入口のドア。ドアの横に電話、ラジオ、テレビなどを置いているローチェスト。下手は寝室とバスルームへのドア。

あと、小物がいろいろ。

 

感想:カーテンや小物が物語を進めたり戻ったりするポイントにもなっていたのが楽しい驚きでした。

あと、イメージビジュアルポスターやタイトルのフォント、パンフレットのデザイン、ステージ美術や衣装、小物、照明が、UKカルチャー好きなのにいまだイギリスに行けてない私がイメージしているロンドンの大好物な雰囲気そのままで(長っ!)、この舞台の視覚から伝わる世界観ももの凄く好きです。

 

本編。

ステージ上の部屋のランプが点いた後、暗転、パッとライトが明るくなり曲も同時にストップ。ステージ上には、クローゼット近くに立っているリチャード(ユースケさん)とローチェストの近くでリチャードに向かって立っているホテル支配人(坂田聡さん)が。ローチェストの前にはシャンパンとオイスターが乗ってるワゴン。

 

クールな雰囲気で立っているだけのリチャードなのに、もう既に何か起こってるぞ感が漂っていたので、会話は何も始まっていないのに笑いそうになりました。

 

リチャードと支配人の不審者確認のやり取りがあって数分後、秘書ジョージ'(中村倫也さん)が到着。せわしなく駆けつけてきた高らかな声で、急いで来たけどさすがに2分では無理でとかなんとか状況説明してる途中で、理由は明かされないまま、リチャードから私の言うこと全てにイエスと答えろと言われるジョージ。

ジョージの七転八倒が始まってしまいました。

ここまで始まってまだ10分ちょいぐらいだったと思いますが、既に何回笑ったことでしょうか笑

 

インテリジェンスあふれるジョージ

リチャードにインテリジェンスあふれる相槌をやってみろと促されてからの、

『a -ha ~ n…』(嫌々感全開だけど、キメ顔でめちゃ艶のある低音気味の良い声)

練習含めて、支配人との会話まで何回も笑

 

リチャード→ユースケさんがジョージにやってみろと煽る言い方の熱量が観た回によって違っている面白さがありました。

西→ 無茶ぶり上司の無理矢理煽り感

世12/9→熱血演出家っぽさが出てきた?笑

森→無茶ぶりパワハラ上司プラス熱血演出家っぽい熱量高い煽り 爆笑

 

そして、わけもわからず隣の部屋に泊まることになっていくジョージの a-ha~n の声音が、だんだん泣きが入っていくように聴こえて、うなづくたびに笑いが大きくなりました笑

 

Jingle Bells / Frank Sinatra

open.spotify.com

オープニング映像。モノクロでホテルの外観に登場キャラクターのイラスト、キャストさんのクレジット(右肩上がり気味のアルファベット手書き文字フォント♡)、OUT OF ORDERのタイトルが真ん中に出たのを見て、オシャレでかっこよいデザインと音楽でさらにテンションが上がりました。

 

赤鼻のトナカイが流れてからオープニング映像までの流れで、一気に、でも音楽やおもしろい会話の連続で気軽に物語の世界へ入り込んでいけました。気がつけば客席も証人の如くリチャードたちに巻き込まれていたような感覚でした。

 

キャリア、欲望、保身の為のその場しのぎの嘘

リチャード → 与党保守党、副大臣。歴史や"趣きのある"ウェストミンスターホテルがお気に入り。

ジェーン(山口紗弥加さん)→ 野党労働党党首補佐、エリート。

 

そんな二人がクリスマスイブの夜、議会で首相があくせくしている時に、ウェストミンスターホテルのスイートルームで密会、密会どころかイチャコラお泊りデート(有権者の皆さんコチラですって思ってしまった笑)。

クールなはずのリチャードはウッキウキ、ジェーンもウキウキしてるけど、心のどこかで与党副大臣との関係にためらいがありました。

 

山口紗弥加さんの声やスマートでセクシーな話し方がまるで海外ドラマの女優さんの吹き替え版を見ているようで、お姿も声もたまらなく素敵でした♪ 見ながら心の中でキャーキャー悶えてました笑

 

普段、ポップソングなんて興味すら無いと思うリチャードが、まさかラジオから流れていたマイルズケインの2022年に出た曲で慣れないダンスをしてしまうぐらいウッキウキ笑

ユースケ・サンタマリアさんの、踊り慣れてないけどこう見えて学生時代は踊ってたんだぜ感と欲望みなぎってる感が混ざったようなノッてる動きを見て、爆笑しかけてしまいました笑 

 

Change the Show / Miles Kane

open.spotify.com

超余談:このタイミングで、2024年4月にマイルズケインがソロで来日するんですよね~。Change the Show聴きたいな~。代官山か心斎橋。どっちも平日…、きびしいなぁ…。

 

謎の男(春海四方さん)発見からの、ジェーン驚愕、リチャード絶叫!の声が、それまでのほんわかしたムードを一気に切り裂いてました。直後の窓の外から街の音が聞こえてきたのも、この物語の本題へと空気が切り替わった瞬間と感じて、ますますお話にのめり込んでいけました。

 

ここからのリチャードは本当に酷かった笑

ひたすら保身。スキャンダル発覚炎上と奥様バレの恐怖。なのに、うろたえない。”やましい時ほど堂々と言い切る"をモットーに、頭の回転の良さをフルで使って逃げ切った笑 死体(謎の男)を見つけた直後は自分で抱えてクローゼットに隠したけど、できるだけ自分は動かず、人を動かす。さすが副大臣 苦笑

 

ジェーンも良心と保身とのせめぎ合いでどう行動しようか迷っていたみたいだけど、ジョージを上手く巻き込んで、ジョージの恋心を話すように促して丸め込んだ一部始終を見てしまうと、やはりこの方も、熾烈な競争を生まれ持った才能と女性性などを駆使して勝ち抜いてきたエリートだ…苦笑 と、ちょっと恐ろしさを感じてしまいました。でも、ロニーの純粋な愛情に心打ちぬかれた様子から、情に厚い人間らしさが見えてきて、最後はとても可愛らしい人だと思いました。

 

巻き込まれたジョージ・ピグテン(一幕)

何博覧会ですか!?ってぐらい、チャーミングで可哀想面白く素敵な表現がいっぱいありましたので箇条書きで書きますね。

 

どんな人?→ リチャードの秘書。真面目。親切で朗らか。お母さまと二人暮らし。仕事中は介護士のフォスターさん(トリンドル玲奈さん)がお母さまの面倒を見ている。古い音楽、レコードが好き。ジョージのセリフからの想像でたぶんカソリック教徒。

 

・ジェーンとリチャードへ、一際甲高い声で『何やってんすかぁーっ!?』

・僕は結婚した人へは絶対に裏切りません!とリチャードに向かって言い切る。

・政府存亡の危機と聞かされてもフォスターさんお母さんと三人でのクリスマスパーティーの為に帰りたいと抵抗する。

・クローゼットの扉を開ける前の、本気でサプライズ的な何かがあるんでしょ?って、ちょっと乙女チックなドキドキワクワク感。

→ここの”サプライズ的な?”のちょっと可愛らしい言い方が、2幕のパメラのセリフとループしてるように思えて、猫背椿さんの言い方とサプライズのセリフの繰り返しの面白さにも拍車がかかって、余計に笑いが止まらなくなりました。

・死体を見て絶叫。死体を何回かチラ見して怖がって、ジェーンと顔を見合わせる。

・泣きそうな声での帰りたい…が、可哀そうだけど可愛かった。

・ジェーンの巧みな誘導でフォスターさんへの恋心をまんまと喋らされてしまう。

・ジェーンに僕を信じてってフォスターさんに電話するのと誘導されて、そんなこと言えないと大照れ。からの、めちゃ腰低く電話をかけて、要件をなかなか言わず雑談しようとする(宅配の角がグシャァ~ の言い方笑)僕を信じてと言う前にフォスターさんが時間延長を受け入れてくれて、大喜び。電話を切った後、なんて優しい人だ、両足でぴょんとその場飛びとか、片足ぴょんもあったかな…?、回ごとに微妙に違う喜び方が可愛かった。

・リチャードが支配人にジェーンを今朝ジョージと電撃結婚した奥さんだと紹介してしまう。

・ジェーンと一緒に隣のスイートルームに入る芝居をしたり、窓から出てバルコニーを走ってスイートルームに向かったり。ずっと、部屋⇔バルコニーをくるくるくるくる。部屋の中の左右、奥手前の移動も想像以上に多かった(世3Fからよく見えた)

・部屋を空けている間にウェイターのハロルドが親切心でフォスターさんにジョージとジェーンの結婚を伝えたことをリチャードから知らされて大ショック。

フォスターーーさあ゛ぁぁぁぁぁぁ゛ーーーーーんんんっっっっっ!!!!!

絶叫泣きしながら、大の字に寝ころんで両足も上げてジタバタ、うつむけになり泣き続ける。

→背中ポンポンしてあげたくなる状況なのに、絶叫の声とジタバタ具合に爆笑

・何度も死体(謎の男)をリチャードの言葉巧みな誘導によって担いで運ばされる。

・いたずら心発動の上司(というか副大臣)のリチャードへ思わず『ちょっ、マジで…、マジで!怒(#^ω^)』とツッコむ。

・死体と並んでソファに座り、支配人に死体とバレないようにお兄さんとして腹話術

→この辺からジョージもミイラ取りがミイラになる的にリチャードのその場しのぎ技に染まって発揮していったと思う笑

 

いったん区切ります!ジョージの続きは後日更新予定。

 

とても素敵なホテルの方々

支配人(坂田聡さん) → ウェストミンスターホテルに愛着と誇りがあり、どんな立場のお客様にも安心して快適に過ごしてもらえるよう職務に責任を持って全うしている。お客様のライフイベントを知ると、即座にお祝いの品も用意したり、副大臣の予定を把握して助言してみたり、とても親身でお茶目な支配人像が面白くて良かったです。ビッグマックとか、ご結婚祝辞とか、いっぱい笑った瞬間がありました笑

西11/18夜→ 話し方にあえて訛りのようなアクセントがあるように聞こえて、ロンドン上流階級独特のイントネーション感か、または、実はロンドン下町出身みたいな裏設定があるのかと考え過ぎてしまいました。

 

ウェイター ハロルド(森下能幸さん) → 一番お茶目❣ 長年ホテルの裏事情も全て知り尽くしてきた感があって、近所の親切すぎおじさん感もあって、休憩室でしゃべりたい雰囲気がありました。とぼけてるようでちゃんと見てるし、聞き耳立てるし、チップがコインだったら首かしげるし、業種は違っても労働者目線に共感できて和んだキャラクターでした笑 いっけねぇ~、とか、チップいっぱいもらった時の驚嘆の声とか、めちゃくちゃ笑いました。

 

メイド マリア(平井珠生さん) → めっちゃ可愛かったです❣ 新人で不慣れで部屋間違ったり声小さい表現がめちゃくちゃ笑いました。ジョージにうっとりしてしっかりくっついてた雰囲気が最高笑 テンション上がって、メリークリスマス!って叫んだ大声の対比でものすごく和やかな気持ちになりました。

 

ただのイギリスカルチャー好き脳には、マリアの存在がめちゃくちゃツボに入りました。元の戯曲でどんな設定か知りませんが、ロンドンが多民族の街でメイドなどは移民の方が多いイメージがあります。

マリアというお名前から考えて、もしかして中南米から来たまだ英語が得意でない人なのかなあと思って、高級ホテルでの上流クラスの人たちのお話であっても現実に街にいる様々な人を登場させて、ただの脇役にしない誰も置いてけぼりにしない描き方に感動してました。

(リチャードにジェーンへの愛情を伝えるロニーの様子を見た支配人が、とっさに二人の部屋を用意しましょうか?と提案したセリフも、同性愛嫌悪ではなく当たり前にいるカップルの形として支配人は認識していることが伝わってきたのも良かったです。と思いつつ、その場を見た瞬間の坂田さんの微妙な表情に爆笑しました笑)

今回の舞台では新人で声が小さい、不慣れ、とされたのが、もし原作と違っているとすれば、イギリスの移民の状況などわからなくても人物像が伝わりやすいように翻訳されたのかな?と思ってます。

 

全キャラクターが私のUKカルチャー好き脳に突き刺さってましたが、ハロルドとマリア、ロニーの存在が、ロンドンの社会状況から生まれるカルチャーの多様さなどいろいろ考えたくなる人たちでした。

どの人もマナーは心得ているけど、副大臣だからといって100%言いなりになる人がいないのも良かった笑

 

二幕感想は後日更新予定…

 

 

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