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日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

舞台OUT OF ORDER を観ました その2

2023年11~12月

舞台OUT OF ORDER 感想 その2

※観ながらメモは取らない為、動きやセリフなどの表現はニュアンスで書いてます。感想と妄想のごちゃ混ぜメモです。予めご了承ください。

 

観た回

2023.11.18(土) 兵庫:西宮 夜 1Fセンター前方(以下、西)

2023.12.9(土) 東京:世田谷 夜 3Fセンター前方(以下、世)

2023.12.28(木), 29(金) 大阪:森ノ宮 両日とも夜 28:1F上手前方, 29:1Fセンター前方(以下、森28 or 森29)

 

公式サイト

OUT OF ORDER

 

続 ざっくり感想

・笑ってると気がつきにくいけど動きとかセリフとかよく見ているとめちゃくちゃ緻密

・ドタバタコメディなのに全体的に上質で品を感じた。

・ラストの展開とイルミネーションと音楽の演出がとても素敵で心が温まった。多幸感。

・キャリアや立場や保身と身の潔白を懸けてほぼ命がけなぐらぐらジェンガ

・ジョージが壊れた笑 信仰心と自制心、職責、良心<保身 ⇒ 禁断の暴走からの大ショック大後悔大崩壊とリチャード化。リビングストーン先生‼

・声出して手も叩きたくなるぐらいに大笑い。

・全員めでたくおさまった💖

 

🎄❄🍾💜💖💘🍾❄🎄

 

Let it Snow, Let it Snow, Let it Snow / Kazumi Tateishi Trio

open.spotify.com

 

続 観ながら思っていたこと 一幕終盤から二幕

積み重ねと崩壊

リチャードとリチャードに無茶振りされたジョージ二人で積み重ねてきたその場しのぎは、ロニーの力強いノック音とひと際大きい怒声とともに入ってきた瞬間から崩壊に向かい始めた気がしました。

 

ロニー(加治将樹さん) → ジェーンの夫。ジェーンLOVE。ジェーンとリチャードの浮気を疑って追いかけてきた。ジェーンを一途に深く愛してる。純粋。超素直。迷える子熊ちゃん(by リチャード)

ジェーンの赤いコートだけを見てる時は素敵な衣装だな、クリスマスイメージかなと思っていて、労働党党首補佐と聞いてもクリスマスイメージ強かったけど、ロニーの赤いマウンテンパーカーを見た時に、ジェーンとロニーの衣装は二人の立場や属性、労働党員を表していると思って、衣装で属性を表しているのもとても面白いと思いました。イギリス労働党のイメージカラーは赤だそうです。

※海外の政治について学んだわけではなく、映画やUKのバンドから政治や思想、階級によって、色が表す属性や服装、話し方など生活文化の細かい部分も違うことを知っていっただけです。

 

ロニーは怒り狂ってリチャードに詰め寄ったのに、リチャードはジョージがその場にいなかったから、ジェーンの浮気相手はジョージだと言ってしまう。イギリス一の女好き(女たらし?だったかも) ジョージ・ピグテン!と言い切った。

探偵まで雇ってジェーンとリチャードがカフェで会っていたことを知りリチャードに突き付けたのに、リチャードの巧妙な話術であっさりと素直に信じたロニー。

信じるんかーいっ笑

ここからジョージピグテンぶっ〇ろすマンになって、ホテル中走り回ってプールに落ちて、支配人に退館警告を言い渡されたり、散々な目に合って…なんて不憫。リチャードにジェーンへの想いと失いたくない哀しみを大泣きしながら聞いてもらったり(その様子をたまたまドアを開けた瞬間に見てしまった支配人がリチャードとロニーの仲を勘違いして二人一緒の部屋をご用意しましょうか?と言った支配人さんの口調や、妙な空気感がめちゃくちゃ面白かった)

宿泊してないホテル内を騒がしたのはダメだけど、愛ゆえの暴走と全身全霊で叫んだジェーンへの一途な想いが彼女に届いて良かった。ロニーの想いを聞いたジェーンの『私、もうムリ!涙』がなんとも可愛くて、それを聞いたリチャードのはっきり顔に出さないけどやるせなさそうな雰囲気もじんわり哀愁が伝わってきて良かった。

 

謎の男(春海四方さん) → 窓枠に挟まって死んだ(と思われていた)人。ロニーにジェーンの浮気調査の為に雇われた探偵ジョン ジャック・ベイカー。気がついても、記憶があやふや。リチャードとジョージのその場しのぎユニバースに巻き込まれて、ジョージ(またはリビングストーン先生)のお兄さん(仮)にさせられたり、強い睡眠薬で眠らせられたり。

ジャック・ベイカーって、名前のネタ元、シャーロックホームズやん!って、名前を聞いた瞬間ホームズ好きのわたし、心の中で歓喜ガッツポーズ万歳三唱。 職業探偵、ホームズの家の住所ベイカー街221B で? 一幕ほとんど気を失って死んだ設定にして、実は生きていて立ち上がったのって、モリアーティ教授と闘って死んだと見せかけて帰還したシャーロックホームズの話とも絡ませてる?ヲタク脳に火がついて、そんな設定関係なくても無駄にどんどん深読みしていってしまう。

作者のレイ・クーニーさんなのか、演出マギーさんの翻訳なのか、舞台上の小物とセリフがバトンリレーのように渡って繰り返しストーリーが進んでいく様子や、セリフやシチュエーションが繰り返されることから、推理もの、サスペンスの伏線と伏線回収のような展開とかプロファイリングみたいで、ジョン・ベイカーの詳細がわかってから、コナン・ドイルもベースになってるのかなとか思わず考えてしまっていた。

謎の男さんとホームズを絡めた小ネタ探し妄想が止まらなくなるのでここでストップする。

イカーさんが目覚めた瞬間の、客席内の無言で驚いた空気感を感じられたのも面白かった。その直後、ジョンは状況確認でまた窓からバルコニーに出て、窓枠越しに部屋に頭をつっこんで記憶を戻そうとしてるうちに窓がバーン!と落ちてきてジョンの首に直撃、また気絶(ここで一幕終了)

探偵さん・・・笑

 

ジョージ・ピグテン 或いは Dr. リヴィングストーン 

一幕でも結構笑ったのに、それは本試合前の準備運動だったのかと思うぐらい、二幕のジョージのぶっ壊れた面白さが最高に強烈でした(めっちゃくちゃ褒めてます)

リチャードもジェーンも支配人もハロルドもマリアもロニーも全員可笑しさが何倍もヒートアップして、笑いすぎてお腹が筋肉痛レベルだったんですが、ジョージの壊れっぷりが一番すごかった。

二幕途中から、リチャードの奥様(へべれけ千鳥足)パメラ夫人と、なんとフォスターさんもウェストミンスターホテルにやってきてしまったり笑

ジョージ、大ピンチ。

 

二幕始めはジョージから客席のトイレ休憩時間も絡めたあらすじ説明があって、一幕目のラストからスタート。CM直前のリプレイ的な感じ。リプレイ後、ベイカーがまた窓に挟まれて気絶した後、トイレを済ませ寝室から毛布を取ってリビングに戻ってきたジョージは『車椅子』に毛布を掛けた。ジョージは車椅子にベイカーが乗っていると思い込んで、実際は乗っていないのに、車椅子に丁寧に毛布を掛けて、押そうとした時にやっと乗っていないことに気がつき、しばらくジョージは『ン?ン??ン???』と首をかしげて考え込む。いないことに驚かないのか!?笑

リチャードが部屋に戻ってきた時、ジョージはにっこり穏やかにリチャードに向かって死体がなくなったことを説明。ジャーン!と言いながら毛布をバッと両手で取って、死体がないことを見せる(マギーさんが稽古中に中村倫也さんが80年代のジャッキーチェンみたいだったとpostされたのって、この場面のことだったのかな?グラスとか乗った大きいテーブルからクロスだけ瞬間でひっこぬいた場面のジャッキーを思い出した)

ジョージのあまりの落ち着いた雰囲気にツッコミたくなった笑

 

・リチャードが窓を見て気がついた『ヌガッ‼』窓の方を見たジョージ『ヌガフッ‼』

2人というかほとんどジョージがベイカーをかついで窓から降ろす。リチャードは掛け声だけ笑

・ソファに寝かせたジョンを部屋にやってきた支配人に見られてしまい、リチャードがジョージのお兄さんだと言ってしまう。酔っぱらって具合が悪くなっていることを心配した支配人を部屋から出させる為に、ジョージがベイカーの腕を使って声を変えて腹話術。『だぁ~いじょぶ~』この辺からジョージのリチャード化が一気に進んだように思う笑

 

順番前後するけど強烈に記憶に残ったことを書いていく。

 

・ジェーンとリチャードがバルコニーから逃げる時。バルコニーから見える景色に感動したジェーンとリチャード。急がせるジョージ。なのにリチャード『かあちゃぁーん!』わちゃわちゃやってるうちに窓が落ちて締め出された三人。ジョージ『あーあ!開かなくなっちゃたっ‼』声高め

 

・気絶しているベイカーを車椅子に乗せてエレベーターまで運んだジョージ、一人だけでスタスタと部屋に戻ってきてリチャードに『(死体が)立ちました…。立って、歩きました』

 

・ジョージ、ロニーと鉢合わせ。リチャードのその場しのぎで『(医者の)リビングストーン先生』と呼ばれて別人を装う。一瞬で、しゃくれ顔、高め優し気な声で挨拶。しゃくれ顔を見たリチャード、笑いを必死にこらえるが隠しきれない。

 

イカーの名前からホームズ絡みかと思って、他のキャラクターの名前も何か由来があるのか気になって、リビングストーンの名前を調べてみた(関係ないことをすぐ調べるヲタク脳)

ja.wikipedia.org

骸骨のようにやせ衰えた姿を見てスタンリーが発した「リヴィングストン博士でいらっしゃいますか?(Dr. Livingstone, I presume?)」は、のちにイギリスで思いがけず人と対面した時の慣用句として使われるようになる

すごいえらい人ですやん…

リチャードはこの慣用句を思い出した?

 

リビングストーン先生が突如誕生してから、ジョージの嘘がばれるまでロニーと一緒になる場面ではリビングストーン先生に変わるのが最高でした。

リビングストーン先生の声音のまま、ジョンを睡眠薬で眠らせたり笑

あの声の雰囲気を活字で表すのは難しい笑

 

パメラ夫人とフォスターさんとのあれやこれやは、

また後日アップする予定のその3へ続く。

 

 

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