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日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

ドラマ ハヤブサ消防団5話感想

 

ドラマ ハヤブサ消防団#5

ネタバレしてます。

 

 

 

 

 

4話を見て、太郎くん残念だったね、と感想を書いてごめんなさい。

太郎は、勇気を出して彩に質問をした。問われた彩は、ハヤブサに来る前にあったことを隠さずに話して、先に言わなかったことを素直に謝った。二人は、とまどいや疑念、後悔を超える深い信頼でつながっていることにフォーカスした描き方で、とても良かった。

 

 

ラストの彩の目の表情を除いて。

 

 

強い信仰心を基に支え合いながら生きていけるコミュニティは、自己否定や不安になりがちな社会でとても重要になる人もいる。彩が同志に持っていた気持ちは、傷ついた心を癒されて自信を取り戻し、健全な生活を過ごせるようにしてくれた感謝からきたもので、その気持ちに対して非難、否定されるものではないと思う。

(私個人としては、信仰心は大切だけど、団体に所属するイコール何もかも信用しきって個人で思ったことを言うべきでない、とか、自分の思う行動ができない状態は、本当に自立して生きている状態ではない、と強い違和感を感じて居心地が良くないので、どこにも属さないと決めている)

 

池井戸先生が原作の中で、太郎は"作家"であり、人の本質を見極める技術が作家の一番の仕事であると書かれたことが、終盤の太郎と彩の場面からしっかり伝わってきた。

 

問題があると非難される対象は、人の弱さや純粋な信仰心を利用して権力を持ち、暴力や危害を正当化する人間だけ。

私も未だに特定の団体に関係していると知ると、その人の背景など考えずに戸惑ってその人自身を否定してしまいそうになる。何か大きな事件を見聞きすると冷静でいられず、判断が自己中心的に偏ってしまうから気をつけようと思っても、なかなか難しい時が多い。特に、もし自分に関係ある人が被害にあったと聞けば、尚更、深く考えずに否定、攻撃してしまう。いろんな状況でいろんな気持ちを抱えて生きてる人がたくさんいると可視化された今の時代にあっても、まだ肩書きだけで判断する癖が抜けきらない。この5話を見ながら、自分の考え方の癖についても色々考え直した。

 

この物語に新興宗教団体のテーマが含んでいると原作を読んで知った時、ドラマでどうやって扱うのかが気になった。

4〜5話の宣伝の書き方でセンセーショナルな言葉使いが多いのは気になったけど、本編の太郎と彩の関係性を丁寧に真摯に描いていたことに安心した。

 

ただ、直接的や間接的にもよく似た経験をして心の傷が癒えてない人がたくさんいるから、たぶん途中で見るのをやめる人がいると思う。これから先の展開を見て感想を言葉に出す時は、傷ついてる人がいることを忘れないようにする。

 

 

ストーリーに戻って、太郎と心もしっかり通じ合えたのは良かったけど、彩が展子の写真を見た瞬間変えた目の表情が気になる。3話で白髪の謎めいた女性の隣に座っていたし。

 

あと、ちょっと思ったのは、太郎と彩が過去の話をしている時に隣の部屋から何か動物の剥製を入れて映していたのが、やっぱり常に誰かがずっと見てるよ、みたいな雰囲気でゾワゾワした。

もしかして、剥製の目に小型カメラを誰かが仕込んでいたら…。

 

町おこしドラマのエキストラで消防団が参加して、皆さん渾身の演技をされたとか、勘介の勘がいいのか良くないのかわからないとことか、中山田さんたちのゴルフ場に向かう場面とか笑えるシーンがあって和んだけど、彩の過去の取り扱いと太郎が彩をどう見るかの描き方に緊張しながら見た回だった。