ネタバレしてます。
2022.8.20 梅田ブルク7 シアター1
ドルビーシネマでゲキ×シネ狐晴明九尾狩を観た感想。
映像がとても鮮明、吸い込まれるような黒、音がそれぞれ前横天井のいろんな角度から聴こえてくるドルビーシネマ。
ゲキシネではなく映画作品を何回か見たことはあった。でも、一つの作品をドルビーシネマと通常のスクリーンで見比べたことがなかったので、狐晴明九尾狩で比較できるチャンスができてさらに楽しみだった。
6月にドルビーサラウンド7.1で観て、音の迫力と音圧でも充分ニヤニヤしてたのに、ドルビーシネマはさらに想像以上の迫力があった。
ニヤニヤどころか、色が鮮やかでやっぱり黒に立体感があるように見えたせいか、衣装の質感やキャストさんの身体の立体感、舞台の奥行きを感じられた。
さらに殺陣も含めて効果音やセリフがその立ち位置から聞こえてくるようだったし、まるで劇場ステージの真横に座席があるような、あの平安京の世界を体感してるような感覚。気のせいなのか、晴明さんか利風か道満?が術をかけた後コンマ数秒後みたいなタイミングで波動のような風圧も感じた場面があって、嬉しさのあまりふへっと変な声を出してしまいそうになった。術の波動圧なんて、舞台観劇でも体感できるものではない。
(追記) 夜中に眠れず書いたせいか書き忘れ。
天井から床まである大きいスクリーンだから見応えがあったこと。
。晴明さんをよく観ていると、スキップや一瞬飛んでる間の滞空時間が思っていたより長い。まるで気流を呼び起こしてるように見える跳躍。
・竜星涼さん演じる虹川悪兵太のリーチの長さが映える殺陣の迫力。
・元方院さまの絢爛豪華な艶やかさ。
・二幕のフーリン姉弟のケンカ。妙にすぐそばにいるように近く感じた。
・パイ・フーシェンと尻尾の最終形態。オリックス劇場で目の前で観た時はもちろん同じ空間にいたから迫力満点だったが、ドルビーシネマで暗闇の中に蘇ったパイの姿の輪郭も捉えているように見えて、さらに異形のもの感、巨大感が伝わってきた。
ディレイビューイングや通常版で観た時、ラスト晴明さんの上半身アップだったのが、その隣に並んでいた仲間4人を入れないカットか…と少し寂しく思っていた。
でも、その晴明さんアップのラストカットで大正解だとわかった。大きく失ったものと同時にたくさん得たものすべて受け入れた晴明:中村倫也さんの表情と全身から表現された、大きくて暖かみのあるシェルターのようなオーラが、吸い込まれるような黒の背景があったからこそ際立って伝わり、観劇時に座席で感じた安心感のある無重力空間が蘇って鳥肌が止まらなくなった。
これは、家でBlu-rayで見ても再現できない体感だと思う。
またいつかドルビーシネマで上映してほしいな。
以下、2021年11月23日のディレイビューイングを見た感想。2021年10月6日のライブビューイング映像を再上映。中継映像ほぼそのままだったのかな。ライブ感満載だった。
平安京の状況を説明する冒頭ナレ、不穏であやしげなイメージの世界が始まった。屋敷の扉が開き、晴明さん登場、まがつ星が流れて、都が炎につつまれるイメージ。
👇
Gekidan☆Shinkansen Inoue Kabuki "Kitsune Seimei Kyubigari" - Digest - for J-LOD - YouTube
テンポ速くて、ド迫力な展開。
回替わりアドリブとか笑う場面は、大阪公演各回と違っていて面白かった。
晴明が道満の屋敷で、タオがモフモフを試させる変わりに晴明の話を聞いてとお願いする場面で、切れた晴明がもういい帰る!とわめき出すところで倫也さんが、
ほにゃにゃにゃにゃあーーーっ
って叫んだ🤣
これぞライブ!な演劇の面白いところ。
映像だけに顔がアップになることで、晴明の言動とは裏腹な繊細な表情が大量の弓矢みたいに心にグサグサささってきた。
ラストの晴明と利風が一瞬言葉を交わす瞬間、
哀しく美しい二人が放つ、眩し過ぎる光のような空気が大画面からドストレートに飛んできて、私の頭はオーラにタコ殴りされ状態。
パイが最期に剣で自分の身体を切る場面は、入れ物(利風の身体)を使えなくすることで、利風が消えてしまう感覚がめちゃくちゃ強く飛んできて、
パイ、待て、やーめーーてーーー😱
と心の中で叫んでた。
情緒が崩壊しました。
映画館で声出して肩震わせて泣きそうになりましたよ。ギリギリ堪えたけど…。
観劇した時は180度全角度から虹色の玉みたいなのが飛んできて、ホワホワした感覚だったのに。この違いは何?
最後の感情を失くした晴明がタオたちと会話する場面では、画面に晴明が一人映ることによって喪失感をより強く感じた。暗闇の中でも希望はある感覚にはなったけど、劇場の客席で感じた独特なとても暖かい雰囲気に包まれてる感覚が、少し遠く感じた。
共通してる感覚は、タオたち仲間がいて、未来への希望は失われていないこと。それぞれの個性でできることをやっていく、そのままそこに在るのが自然だよという感覚。
違ったのは、利風がもう戻らないのと晴明が感情を失ったバッドエンド感。
ディレイ版の方がより強く感じた。
スクリーンだから???
劇場はキャストの方の雰囲気が客席にダイレクトに伝わってくるから???
中村倫也さんが発する独特の雰囲気、よく色気といわれているオーラは映像になると全部映しきれてないのかも。細胞から何か発してるの???
どの言葉が当てはまるかわからないけど、今回の晴明が出してるオーラは、今までの演目より強烈な雰囲気があったように思う。
晴明は、飄々と振る舞ってタオたちと旅をしていたが、利風の勇敢な決断に対する哀しい想いと内に秘めたパイへの強い怒りは相当なものだったと想像する。
向井理さんの利風は総登場時間が少なくて、見てるのはパイ・フーシェン。なのに劇場では本編中ずっと利風と晴明を見ていた感覚になってたのが、ディレイ版を見た後に気がついて驚いた。完全に倫也さんと向井さんの二人の雰囲気にすっかり飲み込まれてた。
大阪公演との違い
・パイとランが喋る場面で犬の鳴き声がしてない?
・ランが、四つん這いで俺は切ったぞー!としつこつ言うときにカタカタ音してない???
・冥界から蘇って暴れるタオとランを戻すところ、晴明と道満で戻したと思ってたの、晴明ひとりで進めてる???
どこが変わったか円盤で確認するしかない。ゲキシネあると思うけど、編集された最高な映像で、きっとまた頭パーンなるのわかってる。
→追記 ゲキシネで本当に頭パーンなりました。
毎回の映像を全部見せてほしい。
全体の雰囲気は、10月30日昼に大阪で観た感じに近かった。
ディレイ版で、カーテンコールを全部見られたのが嬉しかった。
座長さまの客席を見る視線と全ての階へ手を向けて感謝を伝える雰囲気が、とても大きい優しさがあって、円盤で何回も見たくなる瞬間だった。
何回か右目の下あたりを擦ってたのが気になる。
感極まってた?
幕が降りきる直前に、向井さんが手をヒラヒラ、浅利さんが指をセンターに向けてたのは、座長さんを見てアピール?
きっと回ごとに違うことされてたんだろうな。
大阪公演の中頃から、東京と大阪を両方観た方々が、大阪公演の映像も残してとツイしてるのを何回も見かけた。ディレイを見て、その気持ちがよくわかった。
大阪公演の中頃からより熱くなってたのでは?
10月30日と11月6日のたった2回を比べても、晴明の利風を想う強い気持ちが言葉の端々からより強くなっていたり、利風が最後に一瞬戻る表現も晴明への強い信頼と一緒に都を守れない哀しさが深くなっていた。
このシーンだけでも、全部の回を見てみたい。