lensdiary

日記。観たもの、聴いたもの、読んだものについて思い浮かんだこと。感想はネタバレを含んでます。

映画ミッシングを見た後の日々3

ネタバレ含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂田記者は沙織里へ、どこかで間違ってしまったと謝罪した。誹謗中傷やいたずらに振り回された沙織里へ、美羽ちゃん発見の手がかりを得ないまま取材できなくなったことへのお詫びは必要だけど、当事者は当事者で光を失わず、自分で考えて別のやり方を模索していくことに繋がった。

 

 

人としては、悩んでもがく人間らしい砂田さんの姿勢は、何も間違っていないと思います。

 

 

砂田さんの視線、海や衝撃的なことに直面した人々を見つめている時の目の表情から複雑な心情が伝わってきました。目に映る景色の向こうに、何が見えて、何を感じていたんでしょうか?

 

 

他の記者、カメラマン、キャスターからは、対象の人や事件と向き合う時の意識は一定の線引きがされている。砂田さんも記者としての線引きはしているけど、心の軸の職業や立場を取り除いた"人"としての強い正義感が取材を進めていくうちに立場の線引きよりも前に出てきてしまい、優しすぎる人の印象に繋がった。

 

美羽ちゃんが行方不明になるまでは、この姿勢でコツコツと取材を続けてキャリアに繋がっていたが、一年が過ぎても発見につながる情報もない、動きがない事件を前にして、テレビ局も会社であり個人の気持ちに寄り添うだけでは継続していけない経営面との板挟みになった。視聴率が取れる映像、スクープをつかんで東京へ移った後輩に刺激されて砂田さんの内にある野心も強くなり、沙織里たちの取材に"演出"をつけて、さらに圭吾が人に言えなかったことを追求し、美羽ちゃん情報提供サイトのコメント欄の誹謗中傷が加熱した。

 

 

海で被害に遭った子どもの発見現場を取材する目。別の場面で、漁師が豊に女の子用の靴を海で見つけたと声をかけて、でも美羽ちゃんのではなかった。

何回も海を取材する砂田記者。はっきりセリフにはないけど、万が一、良くない状況での発見を撮ろうとしているのか?だから、海を見る目が、何かの覚悟と何かを押し殺してスクープを狙う重い気持ちが入り混じった目に見えるのか。

 

 

 

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